和文モールス符号
カタカナ48字を短点と長点で表す、日本語のためのモールス符号です。アルファベット用の欧文モールス符号とは別の 割り当てで、同じ --- でも欧文では O、和文では レ になります。 文字を押すと音が鳴ります。
速度・音程・音量
速度は標準語 PARIS を基準にした1分あたりの語数(WPM)です。短点の長さは 1200 ÷ WPM ミリ秒になります。ファーンズワース間隔は文字そのものを速いまま送り、文字と語の間だけを広げる方式で、覚えるときに向いています。速度と同じ値にすると通常の間隔に戻ります。
ア行
カ行
サ行
タ行
ナ行
ハ行
マ行
ヤ行
ラ行
ワ行・ン
記号
濁点と半濁点
和文では濁点と半濁点が独立した符号です。もとの文字を送ってから、続けて記号を送ります。
| 文字 | 送り方 | 符号 |
|---|---|---|
| ガ | カ + 濁点 | .-.. .. |
| ジ | シ + 濁点 | --.-. .. |
| パ | ハ + 半濁点 | -... ..--. |
| コーヒー | コ ー ヒ ー | ---- .--.- --..- .--.- |
拗音と促音
小さい「ャ」「ュ」「ョ」「ッ」に決まった符号はありません。大きい文字として送ります。たとえば ヒャッカジテン は ヒヤツカシ゛テン として送ります。受け取った側は前後の意味から 読み取ります。
欧文との違い
- 割り当てが別: 同じ符号でも表す文字が違います。ヘ は .、ム は - のように、1つの点や線だけの文字もあります。
- 文字の頻度を考えていない: 欧文は E や T など多い文字を短くしていますが、和文はいろは順に当てはめたので、よく使う文字が長いこともあります。
- 数字と時間の決まりは同じ: 0〜9 の符号も、短点1・長点3・文字間3・語間7という長さの比も共通です。
覚え方
表を眺めるより、音で覚えるほうが早く身につきます。短点を「トン」、長点を「ツー」と声に出しながら、上の文字を 押して音を聞いてみてください。まずは1つの信号でできる ヘ と ム、2つの ハ 行や タ 行あたりから始めて、行ごとに 増やしていくと続けやすくなります。
文章で試すときは モールス信号 変換、音から読み取るときは モールス信号 解読、欧文も含めた表は モールス信号一覧表 にあります。
よくある質問
和文モールス符号は誰が作ったのですか。
現在の和文モールス符号は、1873年(明治6年)に吉田正秀と寺崎遜らが考えたものが基になっています。当時最新の国際モールス符号ではなく、ドイツ・オーストリア電信連合の符号にいろは順を当てはめて作られました。その後、1885年に濁点とルの入れ替えとヰ・オ・ヱの追加、1893年に長音「ー」の追加を経て、ほぼ今の形になりました。
欧文と同じ符号なのに違う文字になるのはなぜですか。
和文と欧文はまったく別の割り当てだからです。たとえば ・- は欧文の A、和文の イ。--- は欧文の O、和文の レ です。どちらの符号で送られたかがわからないと読めないため、通信の前にどちらを使うか決めます。
濁音・半濁音・拗音はどう送りますか。
濁点(・・)と半濁点(・・--・)は独立した符号で、もとの文字のあとに続けて送ります。ガ は カ+濁点、パ は ハ+半濁点です。拗音(ャュョ)と促音(ッ)には規定がなく、大きい文字として送ります。「ヒャッカジテン」は「ヒヤツカシ゛テン」になります。
和文は今でも使われていますか。
アマチュア無線の国内交信や、総合無線通信士などの国家試験の電気通信術で使われています。日常の通信手段としては役目を終えていますが、練習や趣味として続けている人は多くいます。